今年は2000億円突破? スマホ広告の現在地
東洋経済オンライン 2月19日(水)6時0分配信
今年は2000億円突破?スマホ広告の現在地
スマートフォン普及の波が広告市場でも明確に表れてきた。
サイバーエージェント <4751> の子会社で、スマホ広告代理店として国内トップクラスのCyberZは2月18日、2013年のスマホ広告市場が推計で1652億円と、前年から約2倍に拡大したと発表した。市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングとの共同調査で明らかとなった。同調査によると、2014年は2304億円とさらに4割近く伸び、2016年には3000億円を超える見込みだという。電通 <4324> によれば、インターネット広告費は2012年で8680億円。電通やCyberZなどの調べを総合すると、ネット広告市場に占めるスマホ広告の割合は12年に1割程度だったとみられ、さらにシェアを高めていっているようだ。急成長の背景には何があるのか。サイバーエージェントの最年少取締役で、CyberZの社長を務める山内隆裕氏に話を聞いた。
■ 1年で2倍近くに拡大
――スマホ広告市場が、すさまじい勢いで伸びています。
今から1年前に、2013年のスマホ広告市場は1100億円程度に拡大すると見ていましたが、結局、締めてみると1652億円まで成長しました(市場規模の数字は推計値、以下同)。2012年は856億円でしたから、2倍近くまで広がったことになります。
通信事業者によるLTEなどの高速回線サービスの拡充が進み、スマホで動画や書籍、音楽、ゲームなどのデジタルコンテンツの利用が促進されました。さらに、eコマース事業者がスマホ向けのサービス対応を加速して、ユーザーを獲得する、呼び込むという流れができました。そこが思ったよりも進んだようですし、今後ももっと進むでしょう。ユーザーのネットによる商品・サービスの消費活動におけるスマホの重要性が、ますます高まっています。
特に、ゲームの伸びは大きいです。スマホゲーム市場は据え置き型と同じぐらいまで成長しています。それでも、スマホは日本全体で5000万台ぐらいしか普及していない。まだまだ増える余地があり、主婦や若い女性など対するゲームなどが増えて、それらの人たちに対するマーケティングのニーズが高まってきます。
スマホは24時間手放せない生活必需品になっていて、ないと禁断症状が出るようなものです。プライベートな空間にあり、そこでフェイスブックとかのソーシャルメディアに接続したり、ゲームを楽しんだり、グーグルで検索したりと、可処分時間を使う用途が出ています。ガラケー(従来型携帯電話)ではなかった要素です。
――今年のスマホ広告市場の見通しは?
2304億円まで伸びると予測しています。1年前の時点では2000億円台の到達は2016年と想定していましたが、2年早まりそうです。
広告主のスマホ対応がより一層進むことが予想されます。特にスマホゲーム市場の伸びが尋常ではありません。海外のゲーム会社、たとえばスーパーセルなどが日本市場にかなり注力していて、その流れが今後も続きそうです。スマホ広告の半分弱ぐらいがゲーム広告です。
■ スマホの特性を生かす
――それ以外では、どんなトレンドが?
スマホの画面領域を生かした全画面のインタースティシャル広告(ページ遷移の間に出る広告)に注目して、出稿する広告主(クライアント)は増えています。また、スマホ広告市場で最も大きいのが、検索に連動するリスティング広告(検索連動型広告)です。2013年のリスティング広告市場は854億円と、前年から7割近く伸びました。
リスティング広告は、検索するキーワードと場所や時間などを連動した広告を表示できます。スマホは、ユーザーが寝る直前にも見ていますよね。そこにもアプローチできます。また、大手事業者により広告配信プラットフォームの大幅な仕様変更が行われ、広告主はPCやスマホなど複数のデバイスに対して、一括で広告配信をできるようになりました。これで需要が促進された面があります。
市場規模はリスティング広告に及びませんが、2013年に652億円と前年比で2.7倍に拡大したのがディスプレイ広告です。国内外のゲームや大手小売・飲食チェーンなどのO2Oのプロモーション需要が旺盛で、これらの広告主の特性に合わせた需要に対応する、新たな広告商品の提供が進みました。ソーシャルメディアのバナーやタイアップ広告、動画広告の需要も急増しています。
――スマホで動画広告は有望でしょうか。
動画は少しずつ出てきています。大手メディアも開発しています。景況感もよくなってきて、出稿意欲が出てきて、二の次、三の次だった会社が試したいというのが増えてきています。
――ガラケー広告は?
ガラケー広告は落ちていきます。正確な数字はないものの、広告市場の規模という点でいえば、すでにスマホ広告はガラケー広告を上回っています。
――CyberZは、スマホ広告市場が2016年に3000億円を突破するという予測を立てていますね。
スマホの普及台数の拡大とともに、デジタルコンテンツやeコマース市場の成長に沿って、今後も中期的に高い成長率を維持すると予想しています。
新しい技術を活用した、より精度の高いターゲティング手法の普及や、動画広告市場の拡大をはじめとして、市場の活性化につながる従来にない広告商品の登場などがあれば、現時点の予想を上回る可能性もあります。
武政 秀明
スマホの伸びは急激だとは認識していたものの、ここまでの伸び率とは・・・
確かに電車の中でもオフィスの中でもかつてのガラケーを見かけることほとんどなくなったもんね!
FACEBOOKやTWITTERのSNSアクセス機能も標準でスマホ上に搭載されているし。
今後はパソコンよりもスマホの利用率の方がどんどん高まっていきそう。
これらのIT革命でTV業界を筆頭に、
異業種が売上減という煽りを食らっているわけだけれど、
※車離れもビールの販売数が落ちたのもスマホ普及のせいだとの指摘もあったり。
スマホでの広告手法が拡大するのと同時にアプリ業界への参入も増加していくんだろうなぁ。
売上が落ちてきている異業種、どの分野においてもこれからは
スマホを活用する方法を見出していかないと生き残る道はないと思ったのです。
広告についてのINDEXへ。